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クリニックSEOの設計|診療ページとコラムの役割を分ける
サイトの作り直しを進めていると、キーワードの候補が何十行も並んだ一覧を前にして「これを全部ページにするのだろうか」と手が止まることがあります。院長に聞いても判断がつかず、制作の締切だけが近づいてくる。そんな状態は珍しくありません。
先に答えをお伝えすると、ページ数はキーワードの数で決めなくて大丈夫です。検索する人の「用事」ごとに受け皿を決めます。通える医院を探して予約したい用事には診療ページを、症状や検査を理解して受診するか考えたい用事にはコラムを割り当て、両者を内部リンク(サイト内のページ同士をつなぐリンク)で結びます。
この記事の内容
キーワードごとにページを作らなくていい理由
たとえば「○○駅 皮膚科」「皮膚科 土曜 ○○区」「駐車場あり 皮膚科」。言葉は違っても、探している人の用事は「通える皮膚科を見つけて予約したい」で同じです。知りたいのは診療時間、場所、予約方法なので、語句ごとにページを分けると、ほぼ同じ内容のページが並びます。診療時間が変わったとき、どれを直せばよいのか担当者自身が迷う原因にもなります。
一方で「子ども 熱 何科」「胃カメラ 鎮静」のように、判断や理解を求める問いは、診療案内の数行では答えきれません。こちらは説明の場所を別に用意したほうが、読む人にとって親切です。
Googleは、AIによる検索機能も通常の検索のランキングや品質の仕組みに基づいており、SEOの基本は引き続き有効で、利用者にとって独自で役立つ内容が大切だとGoogle検索セントラルの公式案内で説明しています。似たページを増やすより、用事ごとに一つの十分な答えを用意する考え方は、この案内と矛盾しません。ただし、特定のページ構成で順位が上がると示したものではありません。ここから先の進め方は、編集部としてのおすすめです。
図で整理:実行する3つのステップ
- 患者さんの問いを集める
Search Consoleの検索語句、問診票、電話メモ、診察中の質問から、患者さんの言葉を個人情報なしで書き出す
- 用事ごとにまとめる
予約・判断・理解・医院確認の4つに分け、同じ答えで済む語句を1行にまとめ、答えられない問いは外す
- 受け皿とリンク先を決める
診療ページかコラムか、追記か新規かを決め、戻り先の診療ページと医療内容の確認者を書いておく
診療ページとコラムは何が違うのか
二つの役割を並べると、次のように整理できます。
| 項目 | 診療ページ | コラム |
|---|---|---|
| 検索する人の用事 | 通えるか確かめて予約する | 症状や検査を理解し、受診を考える |
| よくある検索語の型 | 医院名、地域名+診療科、条件(土曜・駐車場など) | 「何科」「受診の目安」、検査・処置名 |
| 載せる内容 | 診療内容、診療時間、アクセス、予約方法、費用の案内 | 一般的な説明、受診を考える目安、当院での検査の流れ |
| 読んだ後の行き先 | 予約・電話・アクセス | 該当する診療ページ |
| 見直すきっかけ | 診療時間や体制の変更 | 診察や電話で同じ質問が増えたとき |
医院名や「医院名+地域名」で探す指名検索の受け皿は、トップページと診療ページです。このタイミングで、医院名・住所・電話番号・診療時間の書き方がサイト内とGoogleビジネスプロフィールで揃っているかも一緒に見ておくと安心です。
問いを集めて、受け皿を決める3つの段階
実際の作業は、患者さんの問いと受け皿を一行ずつ並べた一覧表を作ることです。旧版ではこれを「検索意図台帳」と呼んでいましたが、表計算ソフトの簡単な表で十分です。
1. 患者さんの問いを集める
運用中のサイトならSearch Consoleに出てくる検索語句(クエリ)から始めましょう。加えて、問診票の自由記述、電話問い合わせのメモ、診察中によく聞かれる質問も、患者さんが使った言葉のまま書き出します。名前など個人が分かる情報は写さず、問いの文言だけを残します。
2. 用事ごとにまとめる
集めた語句を「予約したい」「判断したい」「理解したい」「医院を確かめたい」の4つに分け、同じ答えで済むものは1行にまとめます。自院の診療内容で答えられない問いは、ここで外しておきます。
3. 受け皿とリンク先を決める
各行について、診療ページかコラムか、既存ページへの追記で足りるか新しく作るかを決めます。コラムの行には読んだ後に戻る診療ページを、医療上の説明を含む行には内容を確認する人(院長など)の名前も書いておきます。
迷ったときの判断の目安(記入例つき)
以下は架空の内科を想定した仮の記入例で、実在の医院や実績ではありません。
| まとめた問い | 用事 | 受け皿 | 判断 |
|---|---|---|---|
| ○○駅 内科/内科 土曜 ○○区 | 予約したい | 内科の診療ページ | 既存ページに土曜の診療時間と予約方法を明記 |
| 子ども 熱 何科 | 判断したい | コラム(発熱時の受診先) | 新規。末尾から小児の診療ページへ |
| 胃カメラ 鎮静 | 理解したい | 胃カメラの診療ページ内の説明節 | 説明が短く済むなら新規にしない |
| 医院名 アクセス | 確かめたい | アクセスページ | 表記をプロフィールと揃える |
判断に迷う行は、次の目安で考えてみてください。
- 答えが診療時間・場所・予約方法で済むなら、診療ページに書き足す
- 説明に複数の段落と受診の目安が必要なら、コラムを検討する
- 既存ページと答えが同じなら、新しく作らず既存ページを直す
- 医療上の説明を含む行は、公開前に医師が内容を確認する
公開前に見ておきたいことと、次の一歩
一覧表ができたら、各診療ページに予約前に確かめたい情報が揃っているかを見直しましょう。診療時間、アクセス、費用条件といったページごとの掲載項目はクリニックのホームページ構成|予約前に確認する10項目で一つずつ点検できます。公開して検索語句がたまってきたら、どの記事から直すかを選ぶ段階です。その進め方はクリニックのSEO対策|検索クエリから更新対象を選ぶで扱っています。広告表現や医療情報の扱いに関わる部分は、その領域の一次資料で確認が必要です。
今日できる一歩としては、受付の方と一緒に、最近電話でよく聞かれる質問を3つメモするところから始めてみてはいかがでしょうか。それだけでも、診療ページに書き足すことと、コラムで答えることの見分けが始まります。検索意図や競合の調査、サイト構造や内部リンクの設計まで整理しきれない部分があれば、エッセンスクライアントのSEO対策の支援内容をご覧のうえ、お気軽にご相談ください。
参照資料・本文の確認日:2026年10月11日