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クリニックの検索広告費|許容CPAと予算の考え方
検索広告を始めようとしたとき、「月にいくら出せばいいのか」で手が止まることがあります。代理店から相場を聞いても、それが自院に合う金額なのかは判断しにくいものです。
初回の予算は、相場から決めるより、許容CPAと、その月に受け入れられる新患数を掛けて上限を置くと考えやすくなります。CPAは新患1人を得るのにかかった広告費のことで、許容CPAはそこに出してよい上限額です。あわせて、予約の時点で数える「予約CPA」と、実際に来院した新患で数える「来院CPA」を分けておくと、配信後の見直しで迷いにくくなります。
ここでは、予算案を承認する前にそろえておきたい計算と確認事項を順に見ていきます。文中の数値はすべて仮の例で、実績や目安ではありません。
この記事の内容
予約の数と来院の数で、CPAが変わるのはなぜか
予約CPAは「広告費÷広告経由の予約数」、来院CPAは「広告費÷広告経由で実際に来院した新患数」です。たとえば予約が10件あっても、そのうち2件がキャンセルや無断キャンセルになれば、同じ広告費でも来院CPAのほうが高くなります。
広告の管理画面に出るCPAは、成果として数えるよう設定した行動(コンバージョン)を基準にした数字です。Google広告のコンバージョン測定のヘルプでも、購入・登録・電話問い合わせなど、価値があると判断した目標を選んで測定すると説明されています。患者さんが実際に来院したかどうかは管理画面だけでは分からないため、院内の予約記録で確かめることになります。
そこでおすすめしたいのが、承認するときの上限は来院CPAで決め、日々の運用は予約CPAで追うという二段の考え方です。
図で整理:実行する3つのステップ
- 許容CPAを出す
新患1人の粗利に広告配分比率を掛けて許容来院CPAを、さらに予約→来院率を掛けて許容予約CPAを出す
- 予算上限を置く
許容来院CPA×広告で受け入れられる新患数で月の上限を決め、診療枠が埋まっていれば増額しない
- 計測を確かめて判断する
電話予約も含めて数えられるか確認し、自動入札の学習期間を過ぎてから来院CPAで良し悪しを見る

自院の許容CPAを3つの数字から出してみましょう
計算は次の順に進めます。
- 新患1人あたりの粗利=初診単価×一定期間内の平均来院回数×粗利率
- 許容来院CPA=新患1人あたりの粗利×広告配分比率
- 許容予約CPA=許容来院CPA×予約から来院に至る率
広告配分比率は、粗利のうち集患に回してよい割合のことで、院の経営判断として決めるものです。運用手数料や制作費を払う場合は、それを広告費に含めて計算するかどうかも先に決めておくと、あとで数字がぶれません。
| 項目 | 記入例(仮) | 実際に埋めるときの出所 |
|---|---|---|
| 新患1人あたりの粗利 | 30,000円 | 会計データの新患売上と来院回数 |
| 広告配分比率 | 30% | 院長・事務長の決定 |
| 予約→来院率 | 80% | 予約記録の直近の実績 |
| 許容来院CPA | 9,000円 | 30,000円×30% |
| 許容予約CPA | 7,200円 | 9,000円×80% |
月の予算上限は、利益と受け入れられる人数で決まります
月の予算上限は「許容来院CPA×広告で受け入れる新患数」です。受け入れる新患数は、診療枠の空きから、紹介・自然検索・地図検索など今ある経路で埋まる分を差し引いて見積もります。
この例で空きが10人なら、9,000円×10人=90,000円が上限になります。これは推奨額ではありません。枠を超えて予約が入っても来院にはつながらない、ということを確かめるための計算です。配信後は、次のように状況ごとに考えると整理しやすくなります。
| 状況 | 判断の例 |
|---|---|
| 来院CPAが許容内で、枠に空きがある | 予算を段階的に広げることを検討 |
| 来院CPAが許容内だが、枠が埋まっている | 増額しない |
| 予約CPAは許容内だが、来院率が低い | 受付やリマインドの確認を先に行う |
| 電話予約が計測されていない | 判断を保留し、計測を整える |
自動入札を使う場合、同じGoogle広告のヘルプでは標準で7〜14日の学習期間があり、その間は予算や目標を頻繁に変えないよう案内されています。良し悪しの判断は、学習期間を過ぎ、来院まで確かめられる期間をとってからにすると落ち着いて見られます。
電話の予約まで数えられるか、承認前に確かめておく
予約の入口は、Web予約だけとは限りません。スマートフォンで番号をタップする人、パソコンで番号を見て電話する人、地図検索から連絡する人もいます。入口が分かれていると、Web予約だけを数えた予約CPAは実態とずれてしまいます。
Google広告の通話コンバージョンには、広告からの直接の電話、サイトに掲載した番号への電話、モバイルサイトでの番号クリックが含まれ、通話レポートを有効にするなどの設定が必要とされています。地図検索経由の電話をどこで数えるかは、院内で別に決めておきましょう。
配信前に計測・予約枠・問い合わせ対応の抜けを見ておきたい場合はクリニック広告のCPAを見る前に|計測・予約枠・対応を点検が役立ちます。配信を始めてから管理画面の数字と予約記録が合わないときは、クリニックの広告運用|予約CPAと来院CPAを照合するで突き合わせ方を確認できます。
今日できる一歩
まずは上の記入例の表を、自院の会計データと予約記録で埋めてみましょう。許容来院CPAと、広告で受け入れられる新患数が1枚にまとまれば、予算案を承認するかどうかの話し合いがぐっと具体的になります。
粗利の出し方や電話予約の数え方など、院内だけでは整理しきれない部分があれば、エッセンスクライアントにご相談ください。美容医療・保険診療のクリニックを対象に、予約や来院を基準にしたクリニック向け広告運用代行を行っています。
参照資料・本文の確認日:2026年10月11日