LINE・顧客との接点
クリニックのLINE導入|用途・通数・運用手順の決め方
受付で「予約の前日にLINEで連絡してもらえますか」と聞かれ、LINE公式アカウントを作ってみようと考えたものの、何を送ればよいのか、無料のままで足りるのかが分からず手が止まっている。そんな場面を想定して書いています。
迷ったときは、送る内容を広げる前に、用途を一つか二つに絞るところから始めるのがおすすめです。用途が決まれば送る相手と回数が決まり、月に何通になるかを見積もれます。その数を公式の料金ページで確かめてから、5つの手順で運用を始めると、後から慌てずに済みます。
この記事の内容
最初に送る内容は、3つの用途から選ぶ
始めやすい用途として、「予約リマインド」「休診連絡」「リコール(次回来院時期の案内)」の3つを挙げます。どれもLINEで送れそうに見えますが、誰に送るのか、院内にどんな情報が必要なのかがそれぞれ違います。
予約リマインドは、予約がある友だちに送ります。予約日時と、その人のLINEとの結び付きが必要です。一人ずつ違う日時を文面に入れたい場合は、予約システムの連携機能やMessaging API(LINEを外部システムとつなぐ仕組み)が必要になることがあります。
休診連絡は友だち全体に送るため、通数が大きくなりやすい用途です。リコールは次回の時期が近い人に送り、最終来院日と案内の間隔が必要です。間隔は診療内容ごとに院内で決めることになります。
一方、症状の相談や検査結果のお知らせは、本人確認や誤送信の心配があります。導入したばかりの時期は送る対象から外し、「電話または受付でご案内します」と返す運用をおすすめします。個人情報の扱いは、院内規程と関係法令の一次資料で確認が必要です。
図で整理:実行する3つのステップ
- 用途を選ぶ
予約リマインド・休診連絡・リコールから始める用途を絞り、症状相談や検査結果など送らない内容と案内先を決める
- 通数を見積もり公式料金で確認
外来人数×診療日数から配信対象人数を出し、用途ごとの対象人数×回数で月間通数を計算して、LINE公式の料金ページで無料通数と最新条件を確かめる
- 5つの手順で始めて月末に見比べる
連絡希望と停止条件を決め、文面を厚生労働省の資料で確認し、テスト配信を経て開始。月末に配信予定数・管理画面の通数・予約記録・停止希望の反映を見比べる

月に何通になるかを、外来人数から見積もる
LINE公式アカウントの料金プランページ(確認日:2026年10月11日)では、通数は「メッセージを送った回数×送った友だちの数」で数え、1回の配信は最大3吹き出しまでと案内されています。絞り込み配信・ステップ配信や、Messaging APIのPush・Multicast・Broadcast・Narrowcastは数えられます。チャットの送受信、応答メッセージ、あいさつメッセージ、Reply APIは数えられません。ブロック中の友だちには届かないため、計算はあくまで目安です。
見積もりの式は「月間通数=Σ(用途ごとの対象人数×月間配信回数)」です。予約リマインドなら、外来人数×診療日数で月間予約件数を出し、そこに友だち追加率を掛けて配信対象人数を求め、配信種別ごとの回数を掛けて月間通数にします。
| 用途(仮の例・実績ではありません) | 対象人数 | 回数 | 月間通数 |
|---|---|---|---|
| 予約リマインド | 300人 | 1 | 300 |
| 休診連絡 | 1,000人 | 1 | 1,000 |
| リコール | 150人 | 1 | 150 |
| 合計 | 1,450通 |
同じページでは、無料メッセージ通数をコミュニケーションプラン200通、ライトプラン5,000通、スタンダードプラン30,000通とし、追加メッセージを送れるのはスタンダードプランのみと案内しています。開設時はコミュニケーションプランで、ほかのプランへは開設後に変更します。この例では200通を超えます。友だちは増えていくものなので、半年後・1年後の見込みでも計算し、契約前に公式ページで最新の条件を見ておくと安心です。
運用を始めるまでの5つの手順
- 用途と送らない内容を決める:始める用途を絞り、扱わない内容と問い合わせ先をあいさつメッセージに書いておきます。あいさつメッセージは通数に数えられません。
- 希望の確認と、送るのをやめる条件を決める:受付や問診票でLINE連絡を希望するかを聞き、どこに記録するかを決めます。停止希望・ブロック・予約取消のときに対象から外すこと、誤送信が起きたときに誰が連絡するかも決めておきます。
- 文面を作り、公式資料で確かめる:診療内容・費用・特典に触れる文面は、厚生労働省の医療広告規制のページにあるガイドラインとQ&Aの該当箇所を一緒に確認します。判断が難しい文面は配信を待ち、同ページで案内されている所管自治体の相談窓口に問い合わせます。
- スタッフの端末でテスト配信する:表示、リンク先、送信時刻、日時の差し込み、送る相手の絞り込みを見ます。
- 月末に数字を見比べる:予定していた配信数と管理画面の通数、予約記録の件数、停止希望が反映されているかを見比べ、ずれの理由と翌月に直すことをメモします。来院が増えた・減ったの原因をLINEだと決めつけないことも大切です。
迷ったときの目安と、今日できる一歩
見積もりが無料通数に近いなら、休診連絡を送る相手を絞るか、上位プランを検討します。一人ずつ日時を入れたいなら、まず予約システムの仕様でLINE連携があるかを見てみましょう。文面を確認する人がいない、停止希望の反映方法が決まっていない、という段階なら、配信開始は待つほうが落ち着いて進められます。
今日できることとして、先月の外来人数と診療日数を書き出し、上の式で予約リマインドの通数を一度計算してみてはいかがでしょうか。手順5で「予約」「来院」をどう数えるか迷ったら、クリニック集客の数字の定義を揃える記事が役立ちます。LINEの運用を院内と外部のどちらが担うかを決めたい場合は、マーケティング体制の役割分担の記事もあわせてどうぞ。
広告からLINEまでの流れをまとめて見直したい、用途の絞り方がまだ整理できないという場合は、エッセンスクライアントのサービス一覧にあるクリニック向け広告運用代行(LINE導線の改善を含みます)の内容をご覧のうえ、お気軽にご相談ください。
参照資料・本文の確認日:2026年10月11日