集客の全体設計
医療機関の集客改善|院内と制作会社をつなぐ6手順の進行表
予約ボタンの差し替えも、診療案内ページの修正も、制作会社からは「対応しました」と連絡が来た。それなのに院内で誰が最終確認をするのか決まっておらず、公開されないまま日にちだけが過ぎていく。そんな状態に心当たりはないでしょうか。
こうした止まり方は、誰かの努力不足というより、「誰が見るのか」「何ができたら終わりなのか」が依頼の時点で書かれていないことから起きやすくなります。依頼の中身に加えて、確認する人と終わりの目安を1枚の進行表にまとめておくと、受け渡しのたびに迷う場面を減らせます。
この記事では、院内と制作会社の受け渡しをそろえる6つの手順と、進行表の記入例を紹介します。手順や表は、編集部からの運用のおすすめとして読んでみてください。
この記事の内容
この進行表が役に立つのは、直す場所が決まった後です
ここで扱うのは、改修する箇所がすでに決まっていて、あとは誰が何をするかを分ける段階です。どこを直すべきかがまだ見えていない場合は、予約導線の離脱を切り分ける表で課題を先に整理するほうが近道です。数字を比べる前には、検索・予約・来院の定義のそろえ方も参考になります。
また、広告の成果を一定期間で確かめる計画とは役割が違います。この進行表は「改修を最後まで届けるため」の道具として、別に使うことをおすすめします。
図で整理:実行する3つのステップ
- 依頼をそろえる
改修する範囲を1文で書き、渡す資料と受け取るもの、担当者を進行表に記入する(手順1・2)
- 確認して公開する
確認する人と差し戻す理由を決め、受付と制作担当が公開前にスマートフォンで同じ操作をする(手順3・4)
- 記録して引き継ぐ
公開日時や戻し方などの記録を残し、終わっていない作業に次の担当・必要な回答・期限を付けて渡す(手順5・6)
「制作は終わったのに公開できない」はなぜ起きるのか
たとえば、制作会社は「ボタンのリンク先を変えた」時点で完了だと考えています。一方で受付の方は「電話で案内している予約方法と同じ説明になっているか」を見たい。院長は患者さま向けの表現を確かめたいけれど、まだスマートフォンで開いていない。この例では、三者とも自分の仕事はきちんと考えています。ただ、それぞれが思う「終わり」が違うため、誰も公開の判断をしないまま止まってしまうのです。
そこで、作業ごとに「担当する人」と「終わりの目安」を一言で書いておきます。終わりの目安とは、次の人へ渡してよい状態のことです。これがあるだけで、止まったときに「次は誰が動けばいいか」が見えるようになります。
院内と制作会社の受け渡しをそろえる6手順
以下の担当名は役割の例です。院内の担当者名や制作会社の窓口名に置き換えて使ってください。
手順1:改修する範囲を1文で書く
「予約を増やしたい」だけでは、制作会社はどこを触ればよいか迷います。「診療案内ページの予約ボタンを、受付で使っている予約先へつなぐ」のように、作業の範囲を1文にしてみましょう。対象のURL、変える箇所、今回は変えない箇所も添えます。担当は院内責任者で、制作会社が対象を特定できれば終わりです。
手順2:渡す資料と受け取るものを決める
院内からは今の受付の流れと確認済みの案内文を渡し、制作会社からは確認用URLと変更点の一覧を受け取る形にします。患者さまの情報そのものを資料に載せる必要はありません。担当は双方の窓口で、足りない資料と提出期限が同じ表で見られれば終わりです。
手順3:確認する人と、差し戻す理由を決めておく
院内責任者が、医学的な内容と患者さま向け表現を確認する人を決めます。医療広告に関わる表示は、厚生労働省の医療広告に関する公式資料も参照しながら、院内の確認担当者に確かめてもらいましょう。進め方は医療広告の確認手順で整理しています。本記事は個別の表現が適法かどうかを判断するものではありません。そのうえで、確認できていない表現、誤った診療時間、予約先の食い違いが残っていれば公開を待つ、という決まりを置くことをおすすめします。確認する人と差し戻す理由が書かれていれば終わりです。
手順4:受付と制作担当が同じ操作をしてみる
確認用URLをスマートフォンで開き、ボタンの文言と移動先が受付の案内と合っているかを一緒に見比べます。送信をともなうテストは、担当者が決めたテスト用の手順で行います。担当は受付と制作担当で、使った端末・操作・結果がメモされ、公開担当へ渡っていれば終わりです。
手順5:公開後に残す記録を決める
公開日時、公開URL、変更前後の画面、問題が起きたときの戻し方を残します。広告を使っている場合、Googleはウェブサイト上の操作や電話問い合わせなどをコンバージョン(広告から生まれた成果として数える行動)として測る方法を案内しています。これとは別に、院内では個人が分からない形の予約件数を使い、期間と数え方をそろえて見比べてみましょう。数字にずれがあっても、理由を確かめないまま成果と決めつけず、集計の担当者へ確認したいことを渡します。
手順6:終わっていない作業を引き継ぐ
公開できた作業と、保留中の作業を分けて書きます。保留中のものには、次の担当、必要な回答、期限を付けます。担当は院内責任者で、「対応中」の一言で終わらず、誰が何をすれば片づくかが読めれば終わりです。
進行表はこう埋めてみましょう
以下は編集部が作成した架空の記入例です。日数や成果の目安を示すものではありません。
| 作業と担当 | 渡すもの | 終わりの目安 |
|---|---|---|
| 依頼:院内責任者 | 対象URL・受付で使う予約先 | 制作担当が改修範囲を確認できた |
| 制作:制作会社 | 確認用URL・変更点の一覧 | 受付と表現の確認者が操作を確認した |
| 公開:Web担当 | 公開URL・日時・戻し方 | 本番のリンク先と表示を確認した |
| 引継ぎ:院内責任者 | 終わった項目と回答待ちの項目 | 回答待ちごとに担当と期限が書かれている |
今日できる一歩と、次に読みたい記事
まずは、いま止まっている改修を一つだけ選び、「次に確認する人」と「その人が受け取るもの」を書き出すところから始めてみましょう。それだけでも、誰の返事を待っているのかがはっきりします。
公開後の数字の見方が気になってきたら、予約CPAと来院CPAを照合する記事が手順5の続きとして役立ちます。院内と外部の役割分担そのものを見直したい場合は、クリニックのマーケティング体制もあわせてどうぞ。
院内と制作会社の作業の分け方がまだ整理しきれない場合は、エッセンスクライアントにご相談ください。当社の支援サービスでは、クリニック向け広告運用代行などの内容を紹介しています。
参照資料・本文の確認日:2026年10月11日