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美容医療の広告表現チェック|修正履歴を残す運用表
たとえば、半年前に直したはずのLPの料金欄について、院長から「この一文、誰がどの資料を見てOKにしたんだっけ」と聞かれたとします。手元のメモには「料金欄 修正済み」としか書かれておらず、どの版に何が載っていたのかもたどれない。確認そのものはきちんとしていたのに、経過が残っていないために答えに詰まってしまう場面です。
こうした場面に備えるなら、案件ごとに1行でまとめるのではなく、確認したい表現ごとに1行を作り、版番号(v1、v2…)で修正前と修正後をつなぐ運用表をおすすめします。この記事では、その列と記入例、差戻しから公開版を決めるまでの流れを紹介します。表現が適法かどうかの判断方法は扱わず、「判断の経過をどう残すか」に絞ってお伝えします。
この記事の内容
なぜ案件ごとのメモだと経過が追えなくなるのか
LP、SNS投稿、検索広告の原稿は、公開した後も料金改定や施術内容の変更で何度も書き換わります。案件ごとのメモだけでは、どの版にどの表現が載っていたのか、なぜ差し戻されたのかが、時間が経つほど分からなくなります。
判断のよりどころにしている資料も更新されます。厚生労働省の医療法における病院等の広告規制のページでは、医療広告等ガイドライン、そのQ&A、ウェブサイト等の事例解説書(第6版、令和8年3月30日付の事務連絡)などが案内されています(2026年10月11日確認)。表現ごとに「どの資料のどこを、いつ見たか」を書いておけば、資料が改訂されたときに見直す範囲をすぐに絞り込めます。
図で整理:実行する3つのステップ
- 差戻しを表現ごとに記録
差し戻す表現ごとに1行を作り、対象表現・資料名・該当箇所・確認日を書く。根拠を示しきれないものは保留にする
- 修正版を前の版と見比べる
版番号を上げて修正後表現を書き、差し戻した箇所が直っているか、新しく加わった表現がないかを確かめる
- 公開版を確定して保存
可の行だけでそろった版を承認し、URL・公開日・保存画面を記録する。公開後の変更は上書きせず新しい版として追加する
運用表には、どんな列があれば足りるか
次の表は、当社編集部が提案する列の組み合わせです。院内の承認の流れに合わせて、列名は変えてかまいません。
| 列 | 書く内容 | 記入例(仮の例) |
|---|---|---|
| 案件ID・版 | 案件番号と版番号 | B-0007/v2 |
| 媒体・掲載箇所 | どの面のどこか | 施術LP/料金欄の直下 |
| 対象表現(原文) | 確認した時点の文言をそのまま | 「通常価格から大幅に割引」 |
| 確認した根拠 | 資料名・該当箇所・確認日 | 院内料金表(2026年9月版)、ガイドラインQ&Aの該当項目を確認中 |
| 判断 | 可/修正/保留/取下げ | 保留 |
| 修正後表現 | 差し替えた文言 | v3で記載予定 |
| 確認担当・承認者 | 氏名ではなく役割でも可 | 広告確認責任者/院長 |
| 公開版の記録 | URL・公開日・保存した画面 | 未公開 |
記入例は列の使い方を示すためのもので、表現の可否を示すものではありません。「保留」は、根拠を確かめきれていない状態という意味です。保留の表現は公開版に入れない、と院内で決めておくと、公開直前に迷わずに済みます。
差戻しから公開版を決めるまでの3段階
1. 差し戻す表現ごとに行を作る
確認担当の方は、差し戻したい表現ごとに1行を作り、判断と根拠を書き込みます。根拠には資料名だけでなく、該当する箇所と確認した日も添えておくと、あとで別の人が読んでも同じページを開けます。根拠を示しきれない指摘は「保留」として残し、承認者の判断を待ちましょう。
2. 修正版を前の版と並べて見比べる
制作担当の方は版番号を一つ上げ、修正後の表現を書き込みます。確認担当の方は前の版の行と並べて、差し戻した箇所がすべて直っているか、直したことで別の場所に新しい表現が加わっていないかを見ていきます。
3. 公開版を決めて記録を残す
承認者は「可」の行だけでそろった版を承認し、公開後のURL、公開日、画面を保存した場所を書き残します。公開した後に文言を変えるときは、行を上書きせず、新しい版として追加します。上書きしないことで、「いつの時点で何が載っていたか」に答えられる状態が保てます。
判断ごとに次にすることを、あらかじめ次のように決めておくと担当者が迷いにくくなります。
| 判断 | 次にすること | 公開版での扱い |
|---|---|---|
| 可 | 承認者へ回す | 掲載できる |
| 修正 | 制作担当が次の版を作る | 修正後にもう一度確認 |
| 保留 | 根拠を確かめる、または専門家へ相談する | 掲載しない |
| 取下げ | 他の媒体に同じ表現が残っていないか検索する | 削除し、記録は残す |
公開した後も、表が見直しの手がかりになる
月に一度、運用表を「保留」と「取下げ」で絞り込んでみると、繰り返し差し戻されている表現が見えてきます。参照している資料が改訂されたときは、根拠欄の資料名で検索すれば、見直すべき公開版を拾い出せます。外部から指摘を受けたときも、表現で検索すれば、どの媒体のどの版に載っていたかをたどれます。
医療広告についての相談先は、前述の厚生労働省のページで、医療機関を所管する自治体の窓口として案内されています。法的な適否の判断が必要な場合は、資料そのものを確認したうえで、専門家に相談することをおすすめします。
根拠欄に書く資料をどこで探し、掲載表現とどう突き合わせるかは、医療広告の確認手順|原典・掲載表現・判断記録を揃えるで説明しています。根拠集めの段階で手が止まっている方は、こちらを先に読むと順番がつかみやすくなります。SNS投稿で確認待ちのために制作が止まりがちな場合は、美容クリニックのSNS運用|素材・担当・締切を揃える方法が、確認の締切を投稿の進行表に組み込む方法を扱っています。
今日から始められること
まずは、いま公開しているLPを一つ選び、料金欄など気になる表現を3つだけ書き出して、v1として行を作るところから始めてみましょう。表全体を一度に整える必要はありません。次に直すときにv2を足していけば、経過は自然に残っていきます。
当社では、クリニック向けの広告運用代行やInstagram運用代行の中で、LPや投稿の改善と運用ルールの整備を支援しています。列の決め方や承認の流れなど、院内だけでは整理しきれない部分があれば、サービス一覧からエッセンスクライアントへご相談ください。
参照資料・本文の確認日:2026年10月11日