集客の全体設計
美容クリニック集客の7指標|週次の確認表を作る
週次の運用会議で、広告担当が「今週の予約は18件でした」と報告し、受付からは「院内の記録では12件です」と返ってくる。どちらも間違っていないのに話が先へ進まない。そんな場面に心当たりはないでしょうか。
多くの場合、原因は数字そのものではありません。同じ「予約」という言葉でも、数えた期間や数え方が人によって違うことにあります。そこでおすすめしたいのが、費用・表示・クリック・予約・来院・来院CPA・対象期間/受付可能枠の7つの枠で週次の確認表を作り、それぞれの数え方を表の一番上に書いておく方法です。
この記事では、7枠の数え方、仮の記入例、数字が動いたときに翌週どこを見ればよいかを順に紹介します。
この記事の内容
7つの枠は「どこから数字を取るか」を先に決める
広告管理画面の数字と院内の予約台帳の数字は、出どころが違います。枠ごとにどちらから取るかを決めておくだけで、会議で「どの数字が正しいか」を話し合う時間が減ります。
下の表は編集部が提案する数え方の例です。院の運用に合わせて調整してかまいませんが、一度決めたら途中で変えないほうが、週ごとの比較がしやすくなります。
| # | 枠 | 数え方(例) | どこから取るか |
|---|---|---|---|
| 1 | 費用 | 対象期間に使った広告費。税込か税抜かをそろえる | 広告管理画面 |
| 2 | 表示 | 対象期間の表示回数 | 広告管理画面 |
| 3 | クリック | 対象期間のクリック数。補助としてクリック数÷表示回数も見る | 広告管理画面 |
| 4 | 予約 | 対象期間に受け付けた予約のうち、広告経由と判断した件数(受付日で数える) | 予約台帳 |
| 5 | 来院 | 4の予約のうち、実際に来院した件数 | 予約台帳・受付記録 |
| 6 | 来院CPA | 費用÷来院 | 1と5から計算 |
| 7 | 対象期間/受付可能枠 | 集計した曜日の範囲と、その期間に新規予約を受けられた枠数・埋まった枠数 | 予約システム |
来院CPAとは、来院1人あたりにかかった広告費のことです。問い合わせ単価だけでなくこの枠を置くのは、安く集まった問い合わせが来院につながっていない状態に気づくためです。
予約を広告側の「コンバージョン」で代用しない理由
コンバージョンは、広告管理画面で成果として数える行動のことです。何が数えられるかは、どんな行動を設定したかで変わります。Googleのコンバージョン測定の説明では、ウェブサイト・通話・オフラインなどの計測元を選んで設定する仕組みが示されており、通話コンバージョンは広告のクリック日に関連付けられるとされています。
一方、院内の予約台帳は受付日で数えます。同じ予約でも、広告側と院内側で計上される週がずれることがあるため、両方を別の枠として並べておくと安心です。
図で整理:実行する3つのステップ
- 期間と受付可能枠を書く
集計した曜日の範囲と、新規予約を受けられた枠数・埋まった枠数を先に記入し、休診や枠の増減を備考に残す
- 広告側と台帳側を埋める
費用・表示・クリックは広告管理画面、予約・来院は予約台帳から転記し、費用÷来院で来院CPAを計算する
- 確認先を一つ決める
数字が動いた枠から翌週に確認する場所を一つ選び、担当者と期限を確認表に書く
記入例で見る、数字の読み方
行に週、列に7枠を並べたスプレッドシート1枚から始められます。毎週同じ曜日に前週分を埋め、取れない枠は空欄のまま残して、取り方を翌週の宿題にしましょう。下の数値はすべて説明用の仮の例で、実績や目安ではありません。
| 対象期間(仮) | 費用 | 表示 | クリック | 予約 | 来院 | 来院CPA | 受付可能枠/埋まった枠 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 第1週 月〜日 | 100,000円 | 20,000 | 400 | 16 | 10 | 10,000円 | 40/38 |
| 第2週 月〜日 | 100,000円 | 21,000 | 430 | 18 | 9 | 約11,100円 | 40/40 |
この仮の例では、クリックと予約は増えたのに来院は減り、枠はすべて埋まっています。広告を強めたくなるところですが、その前に、枠が足りず希望日に入れなかった人がいないか、予約から来院までの間に何があったかを確かめたい場面です。
外で見かけるCPAの数字は、施術単価や数え方が違うため、そのまま比べる材料にはなりません。比べる相手は自院の前週や前年同月にして、母数、期間、チャネル、施術カテゴリもあわせてメモしておくと、あとで読み返しやすくなります。
会議で使う3つのステップ
- 期間と受付可能枠を先に書く:集計した曜日の範囲と、新規予約を受けられた枠数・埋まった枠数を書き、休診日や枠の増減は備考に残します。こうしておくと、枠が変わった週に予約や来院の増減を広告のせいと決めつけずに済みます。
- 広告側と院内側の数字を埋める:費用・表示・クリックは管理画面、予約・来院は予約台帳から写し、費用÷来院で来院CPAを出します。広告側のコンバージョン数と台帳の予約数に差があれば、思い当たる理由を一行メモしておきます。
- 動いた枠から翌週の確認先を一つ決める:次の節の目安から見る場所を選び、担当者と期限を表に書きます。
数字が動いたとき、翌週どこを見るか
- 表示が減った:予算の消化状況、配信設定、停止中の広告
- クリックは変わらず、予約が減った:広告文とページの内容のずれ、予約フォームが正しく動いているか
- 予約は変わらず、来院が減った:受付からの返信、リマインド、キャンセルの記録
- 埋まった枠が受付可能枠に近い:広告を増やす前に、枠を追加できるか
- 期間中に入札や予算を変えた:変更日を書き残し、変更の前と後を分けて読む
自動入札を使っている場合は、もう一つ気をつけたい点があります。Googleは同じコンバージョン測定のページで、スマート自動入札には標準で7〜14日間の学習期間があり、その間は予算や目標を頻繁に変えないよう案内しています。毎週の会議で目標を動かすと、比べる材料がそろわなくなります。変更したら日付を残し、間隔を空けて評価することをおすすめします。
まずは先週分の1行から
今日できることとして、先週分の費用・表示・クリックを管理画面から写し、予約台帳から予約と来院の数を拾って、確認表の1行目を埋めてみましょう。2〜3週続けると、広告側の予約数と院内の予約数のずれが見えてきます。
そのずれの原因を突き合わせて記録する方法は、「クリニックの広告運用|予約CPAと来院CPAを照合する」で詳しく紹介しています。院内で予約や来院の数え方、重複の扱いがそろっていない場合は、「クリニック集客の数字|検索・予約・来院の定義を揃える」で言葉の意味を先に決めておくと、この確認表の数え方も決めやすくなります。
当社のクリニック向け広告運用代行では、美容医療・保険診療の特性を踏まえ、予約・来院・売上を基準にしたレポーティングを支援内容に含めています。どの数字をどこから取ればよいか整理しきれない部分があれば、確認表の数え方づくりからエッセンスクライアントにご相談ください。
参照資料・本文の確認日:2026年10月11日