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クリニック集客の数字|検索・予約・来院の定義を揃える
月末に数字をまとめようとしたら、広告の管理画面、予約システム、受付の記録で件数がそれぞれ違っていた。どれを報告すればいいのか分からず、手が止まってしまう場面があるかもしれません。
こうしたずれの多くは、誰かの集計ミスではありません。同じ「予約」という言葉で、別のものを数えていることから生まれます。施策の良し悪しを比べる前に、「何を、どの日付で、どう数えるか」を一枚の表にそろえておくと、会議での話がかみ合いやすくなります。
この記事では、その表(ここでは指標辞書と呼びます)の作り方と記入例を紹介します。業界平均の数値や、施策と来院数の因果関係は扱いません。
この記事の内容
数字が合わないのは、主に4つのずれから
担当者ごとに数字が違うとき、原因は次の4つに分けて考えると見通しがよくなります。
- 分母の違い:「予約率」の分母が、サイトの訪問数なのか予約フォームまで来た人数なのかが、人によって異なる。
- 日付の違い:予約を受けた日、来院予定日、広告がクリックされた日のどれで月に入れるかがそろっていない。
- 重複の扱い:同じ方が電話とWebで二重に予約した、日時変更で予約が作り直された、といった件数をそのまま足している。
- 予約と来院の混同:予約完了をそのまま新患数として報告し、キャンセルや無断欠席が反映されていない。
特に見落としやすいのが日付です。Googleのヘルプでは、通話コンバージョンは広告のクリック日に関連付けられると説明されています(Google広告ヘルプ「コンバージョン測定について」)。一方、院内の予約記録は予約受付日や来院日で管理されることが多いため、同じ月でも件数が一致しないのは自然なことです。どちらが正しいかではなく、「どの日付で数えた数字か」を書き添えておくことが大切です。
図で整理:実行する3つのステップ
- 指標と分母を書く
会議や報告で使う指標名を書き出し、何を数えるかと何で割るかを1行ずつ言葉にする
- 日付の基準を決める
クリック日・予約受付日・来院日など、指標ごとに月に入れる日付を一つ決め、割合は分子と分母の日付をそろえる
- 重複と来院を突き合わせる
二重予約・日時変更・キャンセル・無断欠席の扱いを決め、個人情報を書き写さず件数だけで予約と来院を突き合わせる
数字の決めごとを書く3つの手順
手順1:指標名と、数える対象・分母を書き出す
まずは会議や報告で使っている指標名を書き出し、1行ずつ「何を数えるか」と「何で割るか」を言葉にしてみましょう。たとえば予約完了率なら「予約フォームまで来た数に対して、送信まで終えた数の割合」です。
この例では、フォーム到達40件・送信完了10件なら、10÷40で25%になります(説明用の仮の数値で、実績や目安ではありません)。割合を出す指標は、分子と分母を同じツールから、同じ期間で取れるかもあわせて見ておくと安心です。
手順2:どの日付で月に入れるかを決める
指標ごとに、月に入れる日付を一つだけ決めます。広告の数字はクリック日、予約数は予約受付日、来院数は来院日、のように指標ごとに違ってかまいません。ただし割合を出すときは、分子と分母の日付をそろえます。
再来院率のように一定期間を追う指標は、「初診から何日以内の再診を数えるか」を院内で決めて、表に書いておくことをおすすめします。
手順3:重複・キャンセルの扱いを決め、予約と来院を突き合わせる
同じ方の二重予約、日時変更、キャンセル、無断欠席をどう数えるかを決めます。おすすめは、日時変更は1件のまま扱い、キャンセルと無断欠席は予約数から消さずに別の列へ残す方法です。後から「なぜ減ったのか」をたどりやすくなります。
予約と来院の突き合わせは件数だけで行い、氏名などの個人情報は集計表に書き写さない運用にしておきましょう。
記入例:こんな表にまとめておくと迷いにくい
以下は書き方の一例です。対象や基準は、自院のシステムに合わせて書き換えて使ってください。
| 指標名 | 数える対象 | 分母 | 日付の基準 | 重複・除外 | データ元 |
|---|---|---|---|---|---|
| 広告コンバージョン | 管理画面で設定した予約完了や電話 | なし(件数) | 広告のクリック日 | 計測設定に従い、院内の記録とは別に扱う | 広告管理画面 |
| 予約フォーム到達数 | 予約ページの表示 | なし(件数) | 表示日 | 同日の再表示の扱いを書く | アクセス解析 |
| 予約完了率 | フォーム送信完了 | 予約フォーム到達数 | 送信日 | テスト送信を除く | アクセス解析 |
| 予約数 | Web・電話を合わせた新規予約 | なし(件数) | 予約受付日 | 日時変更は1件、二重予約は1件にまとめる | 予約システム |
| 来院数(新患) | 初診で実際に来院した人 | なし(件数) | 来院日 | キャンセル・無断欠席は含めない | 受付記録 |
| 予約来院率 | 予約のうち来院した件数 | 来院予定日が対象期間内の予約数 | 来院予定日 | 院側都合の変更は別に書く | 予約システム |
何をコンバージョンとして数えるかは、広告主が価値のある目標として選ぶものだとGoogleは説明しています(同ヘルプ)。管理画面で「メイン」に設定している行動や、別のデバイスでの成果も含む「すべてのコンバージョン」列を見ているかどうかも表に書いておくと、担当者が替わっても読み違えにくくなります。
表を作っても数字がずれるときは
決めごとをそろえても、差はある程度残ります。差が出たら、次の順に見ていき、分かった理由を備考に残しておきましょう。
- 比べている2つの数字は、同じ日付の基準か。
- 分子と分母は、同じツールから取った数字か。
- 電話予約がWeb側の数字に含まれていないことを踏まえて比べているか。
- 重複やキャンセルを、決めたとおりに処理しているか。
- 計測設定やフォームを変えた日を記録しているか。
差の理由を説明できれば、その数字は判断に使えます。ただし、ある月に予約が増えたことを特定の施策の効果だと言い切るには、季節や受付枠など、ほかの条件もあわせて見る必要があります。
今日できる一歩と、次に読みたい記事
まずは先月の報告で使った指標名を書き出し、割合の指標を一つ選んで、その分母が何だったかを言葉にしてみることから始めてみましょう。それだけでも、どこで話が食い違っていたかが見えてくることがあります。
定義がそろったら、広告の数字と予約の記録を同じ期間で並べて、差を記録する段階に進めます。その進め方は「クリニックの広告運用|予約CPAと来院CPAを照合する」で、CPA(1件の予約や来院を得るのにかかった広告費)を軸に紹介しています。そろえた数字から、流入不足・案内不足・フォームの不具合・受付枠不足のどこで離脱しているかを見分けたいときは「クリニックのWeb集患|予約導線の離脱を切り分ける表」が次の手がかりになります。
自院のシステムでは何をどう数えればよいか整理しきれない部分があれば、エッセンスクライアントにご相談ください。当社のクリニック向け広告運用代行では、予約・来院・売上を基準にしたレポーティングを支援内容に含めています(サービス一覧)。
参照資料・本文の確認日:2026年10月11日